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町田尚子 絵本原画展 隙あらば猫 [アート]

ふと訪れた旅先で、気づけば周囲に美術館や博物館がないか探してしまう癖があります(笑)。で、たいてい良い出会いになることが多いので、旅先ではなるべく美術館や博物館を訪れるというようになり、単なるクセは脊髄反射レベルの行動になりつつあります(笑)。

さて、おいしい自然薯レストランのご近所にみつけた【パラミタミュージアム】という三重県の美術館には池田満寿夫の陶彫《般若心経シリーズ》をはじめとするコレクション群があり、静かに思索にふけるのにステキな場所なのですが、多様な企画展もあわせて実施しているようです。今は町田尚子さんの絵本原画展が開催中。「隙あらば猫」というタイトル通り、いろいろな猫が登場する作品たちがズラリと並びます。登場する猫はどれもも個性的で大胆で、なんだか魅了されちゃいます(笑)。色遣いや筆遣いまでいきいきと輝いている原画というものの魅力でしょうか。とてもパワーがあって見応えがあります。絵本として印刷されたものだってステキですが、原画はやはり作家が直接世界を描いたものでもあるので別格。作品としての原点をみて頂きたいですね。すごく力強いので、作家が描いた世界が本当にそこにあって、自分がそこへ迷い込んだような感覚になりますもん(・・・え、私だけかな?!)。・猫だらけの異世界に自分が入っていく感じがとても楽しいんです。

会場にはグッズや絵本もたくさん販売されているのですが、原画をみてワクワクしている状態のため、いろいろほしくなってしまうのは困りもの(笑)ですが、私は猫好きの職場の相棒のお土産に絵本(『ねこはるすばん』を1冊購入しました。この絵本の物語では、飼い主が出かけたあと、家にいる猫はタンスの扉を開けてどこかへ出かけていくのですが、そのおでかけの様子がユニーク。家で猫を飼っている人は自分の留守中に飼い猫がどこかへ出かけていないか、気になっちゃうかも知れませんね(笑)。会場には閲覧可能な絵本もたくさん展示されているので、ぜひいろいろ手にとってみて下さいね!


■日時:2月3日(土) - 3月31日(日) 会期中無休
■会場:パラミタミュージアム(三重県三重郡菰野町大羽根園 松ヶ枝町21-6)
■展覧会名:隙あらば猫
■出展作家:町田尚子

■WEB:https://paramitamuseum.com/plan/exhibition.html
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Monochrome Circus 33周年記念公演 クロニクル  [ダンス/レビュー]

京都を拠点に活動するダンスカンパニー・Monochrome Circusが活動開始から33年を記念した公演を開催した。本来は2023年に開催を予定していたが、コロナ禍を避ける形で2024年3月に実施した(公演開催にあたっては、クラウドファンディングを実施するなど改めて観客・支援者を意識した企画運営を行っている。33年という長い期間の活動継続の裏には、こうした企画・実行力の強さも必要なのだろう)。

公演は2部構成で、第1部は1990年から2005年までの活動期間の中から最初期作品の復元や「収穫祭」シリーズを軸に上演。第2部では1999年から2006年までの活動期間の中からオムニバス形式で5作品を上演した。ユニークだったのは、作品を並べていくだけでなく、元メンバーの山下残と代表の坂本公成が舞台上手と下手に分かれて立ち、かけあいをしながら作品紹介をしていく流れだ。カンパニーの歩みを振り返りながら、当時のエピソードなどが軽妙なトークとして挿入される。往年のファンにとっては記憶を蘇らせてくれるきっかけになり、上演当時を知らない観客にとっては作品をみるにあたっての補足になっていた。私自身がMonochrome Circusの作品を鑑賞するようになったのは2007年頃からのため、第1部で紹介された作品の多くは未見。大変貴重な機会だった。


<第1部>
『#1~7』1990~94 
演出:坂本公成 
出演:坂本公成・山下残・山瀬茉莉・山中透(3日)・野村誠(4日)

山下残さんや野村誠さんがMonochrome Circusの活動に参加されているのも知らなかった・・・。

『収穫祭’97』より ’97
振付:坂本公成・森裕子
出演:秋山レナ・中村太勇・星山有・ヘドゥン世眞・小代美遥・岡野桜子・ヘドゥン丹愛・西山瑚々・
   近藤沙羅・森川更紗・森裕子

いろいろな場所へ自分たちが出かけ、その先で踊り、食事や寝場所を提供してもらうという旅の中で培われたものが作品になっていくことがとても興味深く、こうした経験がカンパニーの根底にあったことを改めて知った。

『収穫祭』プロジェクト ’96~’05
出演:飯田茂実・荻野ちよ・小倉笑・inesik、坂本公成・森裕子
 『逆上がり』
 『秋やねえ』
 『君をのせて』
 『童神』
 『広い広い野原に』
 『寅さんのテーマ』
 『マラカスダンス』
 『黒猫のタンゴ』

出演者がわいわい会話しながら、次々と短編を繋いでいく楽しいリレー形式。やはり飯田茂実さんがMonochrome Circus参加されていたことを知らず・・・。参加するアーティストやダンサーの個性豊かな粒立ちが気持ちいい。許容される個性ではなく、個性が1つの作品の軸になるということの力強さが爽快。

『夏の庭』より「夏なんです」’96
振付・出演:坂本公成・森裕子

豊田市で企画に関わった『農村舞台アートプロジェクト』で踊って頂いた作品でもあり個人的に思い出深い作品。公成さんが舞台中央に立ち、裕子さんが円を描きながら駆けめぐるシーンは、過ぎゆく美しい夏を見つめて佇む人の姿のよう。少し切なさも感じる作品。

<第2部>

『HUSAIS』より抜粋 ’99
振付:エラ・ファトゥミ、エリック・ラムルー(仏)
出演:合田有紀・野村香子

2017年までMonochrome Circusに所属していた合田さんと野村さん。2015年にはゴーダ企画を共同で立ち上げている。所属当時、私は2人はタイプの異なるダンサーだと感じていたが、今回のデュオをみて、2人が描く作品世界の精度の高さに感激した。体格差ある2人なのに、ブレずにぴったりと踊る緻密な動きが見事で、舞台の漆黒さがどこまでも深くなっていくように感じられる・・・。何度でもみたい作品だった。

『泡―沫』より抜粋 '00
振付:坂本公成 
出演:inesik、坂本公成、森裕子

『SKIN/ephemera』より抜粋 '01

inesikさんは初見。元ボーイレスクダンサーという経歴を持ち、Monochrome Circusではコンテンポラリーダンサーとして活躍されていたよう。才能豊かなアーティストが参加し、そこから新たなステージをめざせる点もMonochrome Circusの魅力であるように思う。

『怪物』より抜粋 '05
振付:坂本公成
音響:真鍋大度(Rhizomatiks)
出演:斉藤綾子

“レパートリー”といえる作品をいくつ持っているかということは、優れたカンパニーであることの証であるようにも思う。再演に耐えることが出来る普遍性や、踊り手によって魅力の幅を拡げることが可能な作品こそがレパートリーとして残っていくように思うからだ。この『怪物』については初演を佐伯由香さん、その後野村香子さんが踊るのをみて、今回は斎藤綾子さんの『怪物』をみることができた。斎藤さんの『怪物』は、一見何気なく過ぎているかも知れない日常の、より内面に巣くう狂気のようなものを感じた。じりっとした怖さを感じる作品に仕上がっていたように感じる。こういうテイストは個人的に好み(笑)。

『きざはし』'06
振付:坂本公成+森裕子
出演:ならさきゆきの、森脇康貴

この作品も個人的に思い出のある作品。ダンス批評を学び始めた時期で、JCDN主催のダンス批評講座に参加している時に坂本公成・森裕子バージョンを課題作品として拝見していた。今回の公演で公成さんが何度かくり返し発言していた「継承」という言葉は非常に大切だと改めて感じる。レパートリーとして新たなダンサーに手渡された作品は、また違う角度でその核心をみせてくれるし、鑑賞者のみる力の未熟さを補うことにもなる。また、踊り手が変わることにより作品の核心そのものにも新たな意味や意義が追記されいくおもしろさもあると感じる。ならさきゆきの・森脇康貴バージョンをみて、自分自身の初見の感覚と新たに感じた魅力との両方を味わいながら、この公演全体を思い返すことができた。こういう機会は私自身にはあまりなく、意義深かい。

これからも、このカンパニーから新鮮な作品が生み出されること、レパートリーが踊り継がれていくことを敬意をこめて願う。


■公演日時:2024年2月3日(土)19:00〜/2月4日(日)14:00〜

■会場:京都府立文化芸術会館

https://monochromecircus.com/lp/chronicle/

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第8回 横浜トリエンナーレ 「野草:いま、ここで⽣きてる」 開幕! [アート]

2001年からはじまった横浜トリエンナーレ。国内で開催されるようになった3年に1度の国際芸術祭としては、元祖といってもよい存在ですよね。私自身は“トリエンナーレ”という言葉をはじめて知ったのは、この横浜だったと記憶しています。

第8回の横浜トリエンナーレのテーマは『野草:いま、ここで⽣きてる』。アートが鑑賞者にとって“生きる”ということに寄り添ったり、改めて見つめなおす焦点を提供するような姿勢を感じます。それは2000年初頭からの時代の流れの中で“生きることを脅かす”出来事が顕在化してきていることが背景にあるからではないでしょうか。未曾有の自然災害、これまでの正義や約束ごとを易々と踏み越える戦争の勃発、みるべき問題をみようとせず私欲を優先する政治の蔓延など、数え上げることが難しいほどです。そんな中、アートはどうあるべきかを自問しながら国際芸術祭も考えざるを得ないのだと思います。

・・・ちょっと、熱く語り過ぎました(笑)。背景にはこうした社会動向を踏まえつつ、それでもトリエンナーレは「お祭り」。華やかな賑わいを楽しみ、味わい、明日を生きる活力やヒントを受け取りたいですね。猛暑の中をフラフラになりながら歩き回るのではない(笑)、春を感じ始める時期での開催もありがたい。ぜひぜひ、野に花咲くアートを探しに、横浜へお出かけください。


■会期:2024年3⽉15⽇(⾦)-6⽉9⽇(⽇)
[休場⽇:毎週⽊曜⽇(4⽉4⽇、5⽉2⽇、6⽉6⽇を除く)|開場⽇数:78⽇間]

■会場:横浜美術館(横浜市⻄区みなとみらい3-4-1)
旧第⼀銀⾏横浜⽀店(横浜市中区本町6-50-1)
BankART KAIKO(横浜市中区北仲通5-57-2 KITANAKA BRICK & WHITE 1F)
クイーンズスクエア横浜(横浜市西区みなとみらい2-3クイーンズスクエア横浜2Fクイーンモール)
元町・中華街駅連絡通路(みなとみらい線「元町・中華街駅」中華街・山下公園改札1番出口方面)

■アーティスティック・ディレクター:リウ・ディン(劉鼎)、キャロル・インホワ・ルー(盧迎華)

■公式HP:https://www.yokohamatriennale.jp/2024/

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ジャン=リュック・ゴダール 遺言 奇妙な戦争 [映画]

その昔、私はデザインを学ぶ学生でした。ありがちな課題として“ポスター制作”に取り組んだ時、これまた出会いがち(笑)なのが、ヌーヴェルヴァーグの映画作品たち。フランス語もわからないし、ストーリーもわからない状態であっても、ヴィジュアルのおしゃれ度の高さはポスター素材として最高のモチーフだと思いました。特に、ジャン=リュック・ゴダール監督の『勝手にしやがれ』(1960)や『気狂いピエロ』(1965)はタイトルも含めて『なんておしゃれなの!?』と、デザイン学生のハートを鷲掴みにするものでした(笑)。

社会人になり、アートやダンスの評論の世界に足を突っ込むと、旅先でわけもわからず“展覧会”と名の付くものには予習なしに飛び込んでみるという、これまた学生時代の姿勢を踏襲した性癖でゴダールとの再会を果たしました。大阪で開催されていた『堂島リバービエンナーレ2019』は、ゴダールの『イメージの本』(2018年)からインスパイアされた内容の展示でした。時間があまりなく、ざっと会場を一巡したものの、あまり理解することも出来なかったため『イメージの本』のDVDを購入して会場を後にしました。でも、会場全体で感じていた断片的な映像や音のコラージュがつくりだす独特なイメージは何となく“圧が強く”(苦笑)て、旅から戻っても開封すらしないままでした。当時の私には見るのを躊躇するような感覚があったのだと思います。

そしてそして(何て長い前置き!)つい先日、ゴダールの遺作といわれる『ジャン=リュック・ゴダール 遺言 奇妙な戦争』が上演されるのを知り、出かけることにしました。なんだかんだ言っても、ゴダールの映画作品を映画館でみることは初めてでした(汗)。ゴダール自身は2022年9月、生前の宣言通りスイスで尊厳死を遂げていますが、20分という短編の本作は彼の作品スタイルに貫かれた作品ではないかと感じました。次々と展開する映像は物語として作品を回収しようとする観客を否定するように、映像も音も断片的。字幕も画面右と下に表記されるので、フランス語がわからない私には文字を追うことも難しい状況です。この状況、まるで感覚の暴力にさらされたような心境になるのですが、見終わる頃には、その独自な世界感にヤラレています(笑)。すごい才能なんだなぁと、遺作をみてようやく体感したようです。

さて、『ジャン=リュック・ゴダール 遺言 奇妙な戦争』を見たその後、改めてゴダールを知りたいと思い、数年を経てようやく『イメージの本』(2018年)のDVDを開封しました。内容を知り、驚きました。作品では、ホロコーストとイスラエルとパレスチナの紛争への怒りが描かれていたのです(・・・内容も確認せずに購入してた;)。2019年当時、日本ではあまりイスラエルとパレスチナ紛争についての報道も少なく、それほど注目されていなかったようにも思います。日本にいる私はようやく今年になってこの紛争の悲惨さを知り、愕然としているような世間知らず。ゴダールが感じた怒りをいまさらながらに受け取ったように感じました。もっと早く開封しておくべきだったと後悔しました。

ゴダールを初めて知った学生の頃から、時代は平和とは反対側へと急ぎ足になっているようにも感じます。偶然の出会いからいち早く世界を知ることもあるのかも知れない・・・。アンテナを高く張り、世界で起きている出来事に、きちんと目を向けていきたいと改めて思いました。


■ジャン=リュック・ゴダール 遺言 奇妙な戦争:https://godard-phonywarsjp.com/







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danceart special 第5号 に記事を執筆 [しごと]

第5号の執筆担当は2本。

加藤みや子 『笑う土』Re encount:踊りが繋いだ生のリズムと原風景
江口隆哉  『プロメテの火』静止する瞬間へと向かう美

いずれも“名作”と呼ばれる作品です。
今回、編集の安田さんからは「“名作”の定義とは何かということを意識して執筆してみて下さい。」とコメントを頂いておりました。事前に資料などもたくさん送って頂き、個人で動いている私にとって、本当に手厚いサポートを頂戴しました(感謝)。同時に、いつもほぼ予習しないで劇場に出向いている私ですが、事前に学習して鑑賞することの大切さも実感しました。もちろん、自分自身の感受性は大切ですし、直感のようなものは不可欠だとも思います。ただ、これまでに何度も再演を重ねて生き続けている作品に対しては向き合い方はそれだけでは不十分だとも痛感しました。作品の重ねてきた時間の重みに相応しい態度というものがあるようです。

danceart specialは批評誌という側面よりも、写真が豊富でヴィジュアル的な充実度が高い紙面。批評部分のフォントサイズはやや小さくて見づらいのですが(苦笑)、それだけに舞台で受ける印象に近い体感が得られると思いますので、批評文はサポートとしてお付き合いいただくとよいかも知れません。
良かったら、ぜひご購入下さいませ。

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2024 vol.5 春 
特別企画
名作シリーズ!!昭和、平成と令和に伝える作品
●井上恵美子『家路』&横山慶子『生きる』
加藤みや子『笑う土』
江口隆哉『プロメテの火』『イコザイダー』

*佐藤典子舞踊団『歓喜に至れ』
*ポーランド国立民族舞踊団/谷桃子バレエ団『swan lake』

●アーキタンツ 3人の振付家による3本の新作
*笠井叡智『魔笛』
*片岡康子『再び始まる』
*加藤訓子&中村恩恵『PSAPPHA』

●海外情報/英国、フランス
クローズアップ/中国舞踊・鈴木恵子

写真集『カフェとダンスの薔薇の日々』
インフォメーション/春の公演・美術館・ブック情報など

●danceウォーカーvol.5 青森・野辺地を旅する

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<danceare speciai 第4号入手方法>

1部1500円+送料210円=1710円
(5部以上は20%引き・送料無料)

郵便振替:00100-7-710567 ダンスカフェ
●みずほ銀行九段支店
NO.1719065 月刊ダンスカフェ 代表:安田敬

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ガウディとサグラダ・ファミリア展 [アート]

間もなく閉幕となる『ガウディとサグラダ・ファミリア展』。全国を巡回して、いよいよ名古屋で最終となるようです。

まずはじめに、私はこの展覧会が開催されると知った時と、その盛り上がりぶりに驚きました。スペインのバルセロナという土地で、19世紀から現代に至るまで延々と“建築中”のサグラダ・ファミリアや、アントニオ・ガウディ(1852-1926))の存在は知っていましたが、なぜこのタイミングでの展覧会なのか、どうしてこんなに盛り上がっているのかがわからなかったからです。

展覧会に行ってわかったのですが、なんと、このサグラダ・ファミリアが完成する見込み(2026年)がついたということで、企画されたというのです。なるほど、そりゃ祭りですよ(笑)。

自分が生きている間には完成しない存在に向き合うという仕事は、誰にでもできることではありませんよね。高い理想を掲げて完成を模索し、実験を繰り返し、資金難とも闘い続ける・・・考えれば考えるほど、大変なことです。でも、それでも完成の時がやってくるというのも、またすごいことです。

・・・なんだか素人な感想を綴ってしまいましたが、間もなく閉幕ということで急いでご紹介することにしました。最終日は混雑が予想されるとのことですので、ご興味を持たれた方は平日の来館をお勧めします。ガウディの人となりや仕事ぶり、サグラダ・ファミリアに注ぎ込まれた技術の数々、細かなモチーフに散りばめられたデザイン性の高さは完成までにふれておきたいですね。完成した時に「いやあ、やっと完成したんだなぁ。」なんて、まるで親戚の慶事をしみじみ喜ぶ感動を味わえそうですから(笑)。


■ガウディとサグラダ・ファミリア展(名古屋)https://gaudi2023-24.jp/
■会期:2023年12月19日(火)~2024年3月10日(日)
■会場:名古屋市美術館(・・・35周年記念の特別展だそうです)

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柚木沙弥郎氏、永眠。 [訃報]

数年前から民藝に興味を持つようになり、書籍を読んだり、民藝館に(松本市と豊田市)に立ち寄るなどしています。いずれ記事にしていきたいと思っているのですが、先日民藝関係で調べ物をしていて、染色工芸家の柚木沙弥郎さんが今年のはじめ(2024年1月31日)に永眠されたことを知りました。永年102歳。

民藝を探索していく中で、とりわけ『ああ、可愛らしいいい!』とキュンキュンしていたのが(笑)柚木さんの作品。赤色を背景に置物や玩具を図案化した小鳥たちが染められた『小鳥』(1992)など、明るい色と愛嬌のあるモチーフデザインが大好きです。まだまだ勉強中で詳しくご紹介するようなこともできないのですが、70年以上にも渡る創作活動は民藝の祖・柳宗悦との出会い、染色家の芹沢銈介への弟子入りからはじまり、72歳になってからも絵本の仕事を手がけるなど精力的に創作活動を続けておられました。近年では2021年にも展覧会(PLAY!MUSEUMにて『柚木沙弥郎lifr-LIFE』)も開催されています。

私は偶然にも長野県松本市にご縁が深く足を運ぶことが多いのですが、松本市は柚木さんが高校時代を過ごした場所ということもあって、今でも柚木さんの作品を数多くみることが出来ます(*1)。上高地の五千尺ホテルに宿泊した際には、ラウンジに柚木さんの図録や関連図書が複数あって、ゆったりとした時間の中で作品にふれることができてとても感激しました。また、私の暮らす愛知県豊田市にも民藝館があり、柚木さんの展覧会も過去には開催されたようです。

柚木さんは天国に旅立たれましたが、作品たちは今も残っています。また、柚木さんのデザインは身近なインタリアや服装品として購入することもできるので、身近にふれることもできそうです。これからも柚木さんのやさしく愛らしい世界にふれて、元気をもらいたいと思います。
ご冥福を、心よりお祈りいたします。


■柚木沙弥郎公式HP:https://www.samiro.net/index1.html

■企画展示「柚木沙弥郎 life-LIFE」:https://play2020.jp/article/yunokisamiro/

*1■松本へ 柚木沙弥郎の型染に出会う旅:https://www.nhk.or.jp/nichibi-blog/400/298680.html

■IDEE:https://www.idee-online.com/shop/features/samiro_tokyo.aspx

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