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オーケストラで踊ろう!裁&判 [取材]

2024年3月2日・3日の2日間、可児市文化創造センターalaにて『オーケストラで踊ろう!裁&判』が上演されます。この『オーケストラで踊ろう!』のシリーズは今回で5回目。毎回、可児市(初回の2010年は大垣市との共催)が開催するもので、第一線で活躍する振付家を招き、市民が100人以上参加して作り上げる企画です。“オーケストラと踊ろう!”というところの“オーケストラ”も、可児市文化創造センター開館のオープニングコンサートで集まった市民が楽団となり関わっているといいますから、とても大勢の市民が参加する企画なんですね。ここまで市民がたくさん参加する舞台企画、なかなか見かけない気がします。

この可児市文化創造センター、私は開館時に魅力的なダンス公演が上演されたことをきっかけに通うようになりました。そのうちに、この会館が全国的にも有名な市民が集まる劇場として知られるようにもなります。確かに、いつ訪れても市民のみなさんがいらっしゃるように思います(イベントがある時だけ人がいる場所ではなく、常に市民が利用しているという理想的な公共施設の姿ですね)。で、今年の振付家が康本雅子さんと聞き、舞台稽古の日にお邪魔して見学してきました。

・・・・・

当日、担当の松浦さんにごあいさつ。稽古がはじまるまでの短い時間でしたが、これまでに参加した振付家や、今回の作品の注目点をお聞きしました。歴代の振付家を聞いてビックリ。めちゃくちゃ豪華です(笑)。

第1回:2010年 構成・振付:坂本公成(Monochrome Circus)×交響曲第二番:ジャン・シベリウス
第2回:2013年 構成・振付:井出茂太(idevian crew)×新世界:アントニン・ドヴォルザーク
第3回:2016年 構成・振付:森下真樹×運命:ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーベン
第4回:2019年 構成・振付:近藤良平(コンドルズ)×:「アルルの女」:ジョルジュ・ビゼー、「ペール・ギュント 第一組曲」:グリーグ

 ・・・すごくないですか(笑)?!

さてさて、今回の上演についてのお話に戻りましょう。
私は今回の康本雅子さんの振り付ける作品を何度か拝見しましたが、音楽と一体となって踊っておられるという印象が強かったですし、クラッシック音楽というイメージはあまり持っていませんでした。康本さんご自身も、今回振り付ける「交響曲第8番ト長調作品88」には当初、悩まれたご様子。「捉えることが難しい(笑)曲で、何度聞いても、これでダンスが作れるかわからないという感覚」を持ったそうです。さらに「クラッシック音楽は楽章という形式がありますし、指揮者がたくさんの演奏家を率いて届ける音は、とても強いものです」とおっしゃっています(ala2024年2月号より引用)。そこで「裁判」をテーマに設定したとのこと。おそらく、二項対立(白と黒という2つの側面がある)という構造を参照して作品を組み立てていくのではないかと思います。ただ、裁判という文字が「裁&判」というように“&”で分割(結合とみた方がいい?)されている点に、何か康本さんの想いが隠れていそうで、本番にどうなっているか興味深々です。

また、この企画にはダンサーとして50人という大勢の市民・・・小学4年生から80歳までの幅広い年代の市民が参加されているといいます。こんなに大勢の人にどうやって振り付けるんだろうと思いますが、康本さんは「稽古する中で、それぞれの個性がみえてくると思うので、それをもとにパーツを振り分けながら構成していくと思います。大人数ですから、ソロ、2人組、3人組など組み合わせも自在ですし、群舞の中で25人ずつの塊をつくるとか、隊形のバリエーションはいくらでも考えられそうです」(ala2024年2月号より引用)と、大勢であっても個性によって魅力的に振付けていく戦略もある様子。さすが、プロですよね(笑)。

今回、見学をしていて気づいたのですが、アシスタントのおひとり、小倉笑さんは、2010年の初回の『オーケストラで踊ろう!』に出演されていた方でした。小倉笑さんはその独創性と身体能力の高さで今、注目のダンサーでもありますが、こうしてご自身も参加された企画に今度は市民のみなさんをサポートする側にまわっていらっしゃいます。なんだか感慨深いですね。可児市という地域でダンスがきちんと循環して継続していることの証だと感じ、ステキだなと思います。

さてさて、本番まであと少し。ぜひぜひ『オーケストラで踊ろう! 裁&判』にご来場くださいねー。
私は3日の会にお邪魔する予定です☆

■日時:2024年3月2日(土)18:30-・3日(日)14:00-
■会場:可児市文化創造センター ala 主劇場

詳細:https://www.kpac.or.jp/ala/event_event/okeodo240302-03/
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第24回まつもと演劇祭:シンポジウム&記者会見 [取材]

長野県松本市で毎年開催されている地域演劇祭『まつもと演劇祭』は、今年で24回目を数える歴史ある演劇祭ともいえます。今年は参加全団体が一堂に会し、シンポジウムを開催。地域の演劇の状況、課題、参加作品の見どころなどをテーマに進行されました。

参加してみての所感として意外だったのは「稽古場所の不足」(数の不足、適した規模の場所がない等)。私は愛知県在住ですが、愛知県はそれほど稽古場所には苦労していない印象を持っていましたが、一度地域の舞台関係者に聞いてみたいと感じました。一見、活発に見える地域でも隣接する地域との関係性などで悩みがあるという点なども、話を伺ってなるほどと思えるものでした。生の声を聴くって、やはり大切ですね。


■トークテーマ:地域で演劇活動をする意味とは?

1.それぞれの地域での演劇をめぐる状況について
2.地域で演劇を続けるにあたっての苦労や困難などについて
3.今後の展開について
4.質疑応答

■参加団体(会場ごとにご紹介します)
*個性の異なる5会場で上演、1つの会場で2団体(地元劇団とゲスト劇団という組み合わせが交互に)で上演。1つの会場がどのように変化してみえるかも見どころのひとつだそうです!

[会場]
上土劇場 (〒390-0874 長野県松本市大手 4-7-2)
[団体]
ぱすてる (ぴかぴか芝居塾17期生ユニット)
猫の会 (埼玉)

[会場]
ふれあいホール (〒390-0874 長野県松本市大手 4-8-15)
[団体]
信州大学劇団山脈
劇団イエース (神奈川)

[会場]
まつもと市民芸術館 (〒390-0815 長野県松本市深志 3-10-1)
[団体]
劇団サムライナッツ
いるかHotel (兵庫)

[会場]
深志神社 天神会館 (〒390-0815 長野県松本市深志 3-7-43)
[団体]
空想≠カニバル
ヨコハマ・ファンキー・モンキー・マン!!!(神奈川)

[会場]
信毎メディアガーデン1Fホール (〒390-0811 長野県松本市中央2-20-2)
[団体]
幻想劇場◎経帷子
イチニノ (茨城)

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