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Dance freedom 2024 [ダンス/レビュー]

名古屋洋舞家協議会主催の公演を拝見しました。1部と2部の2部構成で全17作品が並ぶショーケース形式で、さまざまな洋舞が上演されます。一度にいろいろな洋舞にふれられる興味深い機会ですね。

17作品についてレビューするのではなく、全作品を拝見して感じたことと、一部作品について感じたことを書き出したおこうと思います。つぶやきレベルになりますが、ご参考になれば。


■日時:2024年1月28日(日)18:00-
■会場:名古屋市芸術創造センター

<当日上演作品>
1.佐野和美 Believe 振付:佐野智一・佐野和美 
2.山崎輝美 春の祭典から『いけにえの踊り』演出:山崎照美 振付:刈谷夏
3.杉江良子 QUESERA SERA 振付:杉江良子
4.小寺亮太 Paris sera toujours Paris ~パリはパリ~
5.多湖由香里 互いの灯火 振付:河村芽衣
6.榊原菜生未 SWING 振付:榊原菜生未
7.福田晴美 Z 振付:福田晴美
8.今村早伽 Divertimento ~Pas de deux~ 振付:Gloria Contreras
9.川口節子 生きる力 振付:川口節子
*休憩*
10.依田由利子 La fantasia de los caballos  お馬さんたちの空想 振付:依田由利子
11.玉田弘子 しあわせⅡ? 振付:玉田弘子
12.松村一葉 エレメント~風火水土~ 振付:松村一葉
13.神原ゆかり Passion 振付:神原ゆかり
14.音上観詩 めざめ~共鳴~ 振付:音上観詩
15.岡田純奈 『くるみ割り人形』より花のワルツ 振付/改訂振付:岡田純奈
16.神戸珠利 Sing!Sing!Sing!  振付:神戸珠利
17.小田真砂世 ボレロ 振付:小田真砂世

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オーケストラで踊ろう!裁&判 [取材]

2024年3月2日・3日の2日間、可児市文化創造センターalaにて『オーケストラで踊ろう!裁&判』が上演されます。この『オーケストラで踊ろう!』のシリーズは今回で5回目。毎回、可児市(初回の2010年は大垣市との共催)が開催するもので、第一線で活躍する振付家を招き、市民が100人以上参加して作り上げる企画です。“オーケストラと踊ろう!”というところの“オーケストラ”も、可児市文化創造センター開館のオープニングコンサートで集まった市民が楽団となり関わっているといいますから、とても大勢の市民が参加する企画なんですね。ここまで市民がたくさん参加する舞台企画、なかなか見かけない気がします。

この可児市文化創造センター、私は開館時に魅力的なダンス公演が上演されたことをきっかけに通うようになりました。そのうちに、この会館が全国的にも有名な市民が集まる劇場として知られるようにもなります。確かに、いつ訪れても市民のみなさんがいらっしゃるように思います(イベントがある時だけ人がいる場所ではなく、常に市民が利用しているという理想的な公共施設の姿ですね)。で、今年の振付家が康本雅子さんと聞き、舞台稽古の日にお邪魔して見学してきました。

・・・・・

当日、担当の松浦さんにごあいさつ。稽古がはじまるまでの短い時間でしたが、これまでに参加した振付家や、今回の作品の注目点をお聞きしました。歴代の振付家を聞いてビックリ。めちゃくちゃ豪華です(笑)。

第1回:2010年 構成・振付:坂本公成(Monochrome Circus)×交響曲第二番:ジャン・シベリウス
第2回:2013年 構成・振付:井出茂太(idevian crew)×新世界:アントニン・ドヴォルザーク
第3回:2016年 構成・振付:森下真樹×運命:ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーベン
第4回:2019年 構成・振付:近藤良平(コンドルズ)×:「アルルの女」:ジョルジュ・ビゼー、「ペール・ギュント 第一組曲」:グリーグ

 ・・・すごくないですか(笑)?!

さてさて、今回の上演についてのお話に戻りましょう。
私は今回の康本雅子さんの振り付ける作品を何度か拝見しましたが、音楽と一体となって踊っておられるという印象が強かったですし、クラッシック音楽というイメージはあまり持っていませんでした。康本さんご自身も、今回振り付ける「交響曲第8番ト長調作品88」には当初、悩まれたご様子。「捉えることが難しい(笑)曲で、何度聞いても、これでダンスが作れるかわからないという感覚」を持ったそうです。さらに「クラッシック音楽は楽章という形式がありますし、指揮者がたくさんの演奏家を率いて届ける音は、とても強いものです」とおっしゃっています(ala2024年2月号より引用)。そこで「裁判」をテーマに設定したとのこと。おそらく、二項対立(白と黒という2つの側面がある)という構造を参照して作品を組み立てていくのではないかと思います。ただ、裁判という文字が「裁&判」というように“&”で分割(結合とみた方がいい?)されている点に、何か康本さんの想いが隠れていそうで、本番にどうなっているか興味深々です。

また、この企画にはダンサーとして50人という大勢の市民・・・小学4年生から80歳までの幅広い年代の市民が参加されているといいます。こんなに大勢の人にどうやって振り付けるんだろうと思いますが、康本さんは「稽古する中で、それぞれの個性がみえてくると思うので、それをもとにパーツを振り分けながら構成していくと思います。大人数ですから、ソロ、2人組、3人組など組み合わせも自在ですし、群舞の中で25人ずつの塊をつくるとか、隊形のバリエーションはいくらでも考えられそうです」(ala2024年2月号より引用)と、大勢であっても個性によって魅力的に振付けていく戦略もある様子。さすが、プロですよね(笑)。

今回、見学をしていて気づいたのですが、アシスタントのおひとり、小倉笑さんは、2010年の初回の『オーケストラで踊ろう!』に出演されていた方でした。小倉笑さんはその独創性と身体能力の高さで今、注目のダンサーでもありますが、こうしてご自身も参加された企画に今度は市民のみなさんをサポートする側にまわっていらっしゃいます。なんだか感慨深いですね。可児市という地域でダンスがきちんと循環して継続していることの証だと感じ、ステキだなと思います。

さてさて、本番まであと少し。ぜひぜひ『オーケストラで踊ろう! 裁&判』にご来場くださいねー。
私は3日の会にお邪魔する予定です☆

■日時:2024年3月2日(土)18:30-・3日(日)14:00-
■会場:可児市文化創造センター ala 主劇場

詳細:https://www.kpac.or.jp/ala/event_event/okeodo240302-03/
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カラフルな魔女 角野栄子の物語が生まれる暮らし [映画]

学生の頃、部活の後輩の熱烈な誘いで『魔女の宅急便』(スタジオジブリ作品:1989年)を見に行きました。予備知識がなく出かけた私でしたが(いつものことか;)主人公のキキが悩みを抱えつつも、周囲の個性豊かな人々に支えられて成長していく姿が印象深く、ステキだと感激しておりました。ただこの時、原作者がいることを全く意識していませんでした(すみません;)。

そんな私。今年に入って出かけた映画館でひときわカラフルなフライヤーに目が留まり、手に取ると『カラフルな魔女 角野栄子の物語が生まれる暮らし』とあります。マゼンダピンクの背景に、ビビッドカラー+花柄模様のワンピース+四角いフレームでこれまたビビッドカラーの眼鏡をかけたシニア女性が笑っています。みているだけでワクワクしてくるおしゃれセンス、いったい何者?!と注視してみたら、この人が『魔女の宅急便』の原作者だとわかりました。

作品は鎌倉に暮らす角野さんの暮らしを追ったドキュメンタリー。明るくてチャーミングな人だな、というのが第一印象でしたが、年齢を知って仰天。なんと88歳。朝から夕方まで執筆活動をこなしながら、お散歩を楽しんだり、小学校で子どもたちと“なぞなぞ”作りを通して生きるヒントを伝えたりと、みる限り既存の“お年寄り”という言葉は当てはまりません。また、角野さんがイキイキと輝いてみえるのは彼女のファッションの影響も大きいかも知れません。ひとり娘のりおさんがコーディネートされているというカラフルなファッション。どれもピンクや鮮やかなブルーなど目にすると元気になれる色使い。ユニフォームともいえるこのワンピースは独自の型紙で、オーダーメイドで縫ってもらっているそう。身体にストレスをかけないゆったりとしたシルエットで、動きやすさを大事にしているのだとか。『身体が気持ちいと感じることが優先なのよ』と角野さんはおっしゃっていました。こういう点、参考にしたいなと思いました。そうそう、派手めの色とユニークな形(六角形や大きな丸など)の眼鏡も、角野さんのトレードマークなんだそうですよ。先日、私も初めて眼鏡をつくりましたが、赤いフレームで左右が四角と丸の楽しいものにしてみました(笑)。気分が明るくなるのを実感していますので、カラフルなものを自分の味方にするのって、パワーを与えてくれる良い選択なのかも知れません。

私も50代に入り、自身の人生の先行きを考えることが増えたのですが(基礎疾患があるというのも影響しているかも)、この作品で最も心に残ったのは、角野さんがデビュー作の『ルイジンニョ少年ブラジルをたずねて』のモデルとなったブラジル人のルイジンニョさんとオープン間もない「魔法の文学館(江戸川区角野栄子児童文学館)」で、62年ぶりの再会を果たされた時のシーンでした。ご自身より年下のルイジンニョさんが衰弱されているのを感じた角野さんが、そっとやさしく抱擁する姿にじーんときちゃったんです。ルイジンニョさんは「必ずまた会いに来るよ」とくりかえしますが、その言葉は恐らく叶えられないように思えます。このシーンで私は「人生の残り時間」というものを想いました。時間が進むことを誰も止めることはできませんし、それにつれて自身が老いていくことも避けることはできません。そんな中で、やってみたいことや叶えたい夢があるということの意味を想ったのです。残された時間の中で、どれだけのことが許されるのか・・・。考えると切なさがこみあげてくるのですが、だからといって諦めて動きを止めてしまうのももったいないですよね。

作品の中で角野さんは「思い出っていうのは過去のことですよね。でも、それが未来で待っている。」と、ルイジンニョさんとの再会についてお話されるシーンがありました。もちろんこれは年齢を重ねることへの肯定とも言えますが、今を精一杯生きることの大切さや奥深さを言っているようにも感じます。私たちの人生という時間は、過去・現在・未来が時に驚くようなタイミングや方法で交差し、幸せな循環を生み出してくれる・・・そんなことが伝わってくるように思いました。エンドロールを眺めながら『くううう、私も角野さんみたいにカラフルに生きたいものだわっ』などと、小さく握りこぶしをつくっている私でした。なぜ握りこぶしなのか、それはちょっと自分でも意味不明ですけどね(笑)。


カラフルな魔女https://movies.kadokawa.co.jp/majo_kadono/
*愛知県では2024年2月12日現在、伏見ミリオン座(https://eiga.starcat.co.jp/)とミッドランドシネマ名古屋空港(http://www.midland-cinema.jp/movie/show)で上映中ですね。

■魔法の文学館https://kikismuseum.jp/
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ノクターン 夜想曲 [ダンス/レビュー]

先月になりますが(2024年1月)co山田うんの『ノクターン 夜想曲』を鑑賞しました。山田うんさんの作品はこれまでに何度か拝見してきましたが(2019年の神奈川芸術劇場での公演では出張先の北京からスーツケースを引きずって馳せ参じました:笑)、ゆるやかに手掛ける作品は変容していると感じます。クラシック音楽に振り付けることの多い時期から、土着的なテーマで作品創作を手がけた作品が多い時期を経て、今回は、山田さんご自身の言葉を借りるなら「どのシーンも言葉のない曖昧な形をしていて、意味がわからないと思いますが(当日パンフレットより引用)」という抽象度の高い作品に仕上がっていると感じました。

“夜想曲”という、前時代の「交響曲やソナタといった強い骨格の音楽」とは異なる、甘く夢見るような音楽ジャンルをテーマにしたこの作品は、舞台美術、衣装、照明、音楽も、まるで月明りの下でくり広げられる幻想のような美しさに包まれていました。

作品冒頭、舞台全体は薄暗く10名のダンサーがいる“気配”はあるものの、姿は判然としません。目を凝らしていると、うっすらとダンサーたちの上半身が見え始めます。彼らは全員で“コ”の字を立体的にねじったような線形のオブジェを掲げ持っていますが、ゆっくりゆっくり、オブジェを下ろしていきます。この不思議さとスローな雰囲気は作品全体に共通していると感じましたが、ダンサーたちのキレのある動き・・・全身使ってない筋肉なんてないよね、というくらいに研ぎ澄まされた動きが組み合わさることで、とても心地よいバランスを生み出していたと思います。波、ゆらぎ、スロー、月明り、リリース、コントラクション、目で追えないくらいのスピード・・・もう、みているだけでα波とイマジネーションがあふれ出しちゃいました(笑)。

私たちはコロナ禍によって個人の暮らしや働き方が思いがけない方向へ変化したり、戦争や自然災害で多くの人々が突然日常を奪われる時代を生きることになり、アーティストの手がけるクリエイションによってもたらされる安堵感が大きな力になっていくのかも知れません。

私は『ノクターン 夜想曲』で、日常で崩しちゃったバランスを心地よく整えてもらったなぁ、って感じました。山田うんさんのイマジネーション、これからも注目していきたいと思います。

■上演日:2024年1月19日
■上演会場:まつもと市民芸術館
*世田谷パブリックシアター世界初演、北九州芸術劇場でも上演。
■web: https://www.mpac.jp/event/39713/

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佐藤小夜子DANCE LABORATORY 『Introduction』 [しごと]

佐藤小夜子DANCE LABORATORYに、作品レビューをご提供しました。
とっても大人のセンスが効いた小作品で、一気にレビューを書き上げてしまいました(笑)。

ご提供する形になると、ちょっと固い感じの文章になってしまいますが
ぜひ、ダンス批評というものにもふれてみて下さいねーー。


日時:2024年2月4日(日) 15:00~
■会場:岐阜市民文化会館 大ホール
■第28回 岐阜県民文化祭 バレエとモダンダンスに親しむ文化の集い                              
     第2部 2作品目 『Introduction』

*↓下記をクリックしてご覧下さいませ↓*

『序章(=introduction)』という名の意欲作‐佐藤小夜子DANCE LABORATORY-


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