SSブログ

名古屋能楽堂 正月特別公演 [古典]

能楽の『翁』がみたくて、お正月の3日に名古屋能楽堂に出かけました。

パフォーミングアーツに関心を持つようになってすぐ能楽にも興味がわきましたが、能楽が物語や謡(うたい)、和楽器の演奏(笛・小鼓・大鼓・太鼓)だけでなく、やはり舞が私には魅力的だと感じたからでしょうか。多くの能の演目が季節に分類される中で、『翁』は「能にあって能にあらず」と呼ばれるように能のどのカテゴリーにも属さない、儀式色の濃いものです。また、正月初会や祝賀能などに演じられるため、いつでもみられるわけではありません。年末にふと思い立って探したところ、地元愛知県の能楽堂で上演されることがわかり、出かけることにしました。

『翁』の詳しい解説はいくつかあるので、ぜひご参照頂きたいのですが、やはり厳粛な雰囲気や『え?!それってすごい身体能力なんだけど!?』という、三番叟の揉みの段(テンポの速い足拍子を強く踏む超アクティブな動きで“烏飛び”“種卸(たねおろし)”“種蒔”“面返(おもがえ)り”などの動作がある)が私にはワクワクでした。揉みの段の足さばきなんて、バレエの足のポジションを見ているようで驚きました。日本の古典の足さばきって、着物などで見えないことも多いので知らなかったのですが、かなりの身体能力が求められそうです。

ちなみに、『翁』というのは老体の姿をした神だとか。今よりもずっと生存が難しかった時代では、お年寄りになるまで生きていること自体が貴重で、それまでの出来事を記憶してくれている「生きた辞書」のような存在として尊ばれていたようです。まさに、お年寄りは存在自体が奇跡であり、パワースポットだったんですね。現代では、お年寄りが疎まれることも多くなったように感じますが、少し視点を変えて、自分より1日でも長くこの世界に生きている人に敬意をもって過ごしていけたらいいなと感じます。また、自分よりも若い人たちに尊敬してもらえるような存在になれるよう、日々大切に学んでいきたいと思います。

年の初め、縁起の良い『翁』をみて、そんなことを感じています。

■名古屋能楽堂 正月特別公演:https://www.nohgaku.or.jp/performance/nagoya_202401
■翁についての詳しい解説:https://www.the-noh.com/jp/plays/data/program_067.html


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:アート

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント